村上春树-《村上さんのところ》

翻译|「《村上さんのところ》- 狮子的寂寞」

2017年8月13日

ななを想う

想念NaNa

質問:

私はまだセーナー服のころから、ずっと春樹さんのことがすきな、夫と2人家族の43歳の有職主婦です。春樹さんのことを考えると、世界にはまだ善きものがある、と、なんだか安心ですことができます。私は、子供が欲しくなった訳ではないのですが、自然にまかせているうちに、子供ができぬまま43歳になってしまいました。

きっとこのまま、夫と2人で老後を迎え、一生を終えるのだなあ、と思うと、まあそんな人生もあるよね、とは思うですが、ときどき、びょうびょうと、木枯らしが胸の中を吹き抜ける日があります。こんな私に、木枯らしをやり過ごすための、おまじないの言葉がありましたら、教えてください、どうぞよろしくお願いします。

从我还穿着水手服的时候开始,就一直喜欢春树先生,我是与丈夫一起过两人生活的43岁的上班主妇。想起春树先生说的世界还有善的的东西,莫名地就能安心下来。我虽然并不是不想要孩子,不过在顺其自然的情况下,已经到了还没有孩子的43岁。

从此往后,我与丈夫两人一定会迎来老年,终结一生的,想到此,虽然觉得,这种人生也是有的吧,只不过偶尔,也有辽阔的寒风刮过胸前的日子。若是有让我抵御寒风的带着魔力的话,还请告知。劳烦了。

回答:

まだセーナー服のころから、と言われるとけっこう緊張します。とくに理由はないのですが、責任を感じてしまったりします。学生服のころから、とか言われても、べつに何も感じないんですが。

僕は人生に寂しくなると、長野の小諸市動物園の雌ライオン、ななちゅんのことを思い出します。僕はななちゃんの檻の前でずいぶん長い時間を過ごしました。じっと顔を見合わせながら。ライオンが一人きりで小諸の動物園にいるというのは、ずいぶん寂しいことなんだろうなと思いました。

たぶん文化的にもあわないだろうし。でもとても優しい目をしているんですよね。ななちゅんのことを思いましょう。

从还穿着水手服的时候开始,这样一说还真挺紧张的。虽然没有特别的理由,不过就感觉到有责任了。因为即便说从穿着学生服的时候开始,也感觉不到什么的。

当我对人生感到寂寞时,就会想起长野的小诸市动物园的母狮子,NaNa酱。我会在NaNa酱的围栏前度过相当长的时间。一直与它面面相觑。我觉得狮子一个人在小诸的动物园里,该是非常寂寞的吧。估计也与文化不相容吧。不过它极其温柔地看着我。想想NaNa酱吧。