「物語」と「詩」の境目
「故事」与「诗」的分界线
質問:
村上春樹さんは「物語」と「詩」の境目は何だと思いますか?
僕が村上さんの小説で好きなことは、一つ目は、小説を読み終わえた後の、身体の中にある塊の重たさが心地よいからです。
もう一つは、普通の生活の中で、いきなり現れる文章のフレーズ。「なんで、今それ?」という唐突が好きです。僕にとって「物語」とは前者で、「詩」とは後者です。
村上春树先生认为「故事」与「诗」的分界线是什么呢?
我喜欢村上先生的小说是因为,一个方面,在读完小说后,身体中的某块沉重会变得畅快。
另一个方面,在普通的生活当中,冷不丁出现在文章的句子。喜欢「为什么,如今这样?」这种唐突。对我来说「故事」是前者,而「诗」是后者。
回答:
レイモンド・カーヴァーは詩人であり、短編小説作家です。僕が1984年にレイモンド・カーヴァーに会ったとき、「あなたの短編小説はまるで詩のようだし、あなたの詩はまるで短編小説のようだ」と言ったら、とても喜んでくれました。奥さんのテス(当時はまだ奥さんではなくパートナーでしたが)をわざわざ呼んで、「ねえ、この人はこんなことを言うんだよ」と教えていました。
詩と小説というのは交差するものです。僕は詩は書きませんが、短いストレッチの中で行われる心の転換(風景の捻転)という詩の根本原理は、僕が散文の文章を書く上でとても役に立っていると思います。カーヴァーの短編小説がそうであったのと、だいたい同じ原理で。
雷蒙德·卡佛既是诗人,也是短篇小说作家。我在1984年与雷蒙德·卡佛见面的时候,跟他说「你的短篇小说像诗一样,而你的诗像短篇小说一样」后,他非常高兴。他还特意跟他的太太(当时还不是太太而是伴侣)说,「诶,这个人居然说这种话」。
诗与小说是交叉的。虽然我不写诗,不过我认为在短暂的伸缩中进行的心的转换(风景的扭转)这种诗的根本原理,在我写散文的文章上有非常大的作用。这与卡佛的短篇小说呈现的,大概是相同的原理。