人文系学部の危機
人文学院的危机
質問:
私は大学院で哲学を専攻しています。近年文部科学省は人文系の学部を廃止する方向に動いており、このままでは大学は就職の役に立つことだけを教える専門学校のようになってしまいます。人文系の学部が危機に瀕しているこの状況に対して、小説家でありながら大学で教えた経験をもつ村上さんはどうな考えお持ちでしょうか?ぜひお聞かせください。
我在大学里面专攻哲学。近年来文科省有意向废止人文系的专业,如此一来,大学就会变成只教对就业有帮助的东西的专门学校。对于人文系的专业所濒临的危机这个状况,作为小说家同时还拥有大学教学经验的村上先生来说,是持什么样的观点呢?务必请告知。
回答:
人文系ってあまり直接的な役に立たない学問だけど、直接的な役に立たない学問って、世の中にとってけっこう大事なんですよね。派手な結果は出さないけど、じわじわと社会を下支えしてくれるから。小説も同じです。小説がなくたって、なると、社会はだんだん潤いのない歪んだものになっていきます(いくはずです)。でも人文系の学問に対する予算が削られていくというのは、世界共通した現象であるでしょう。日本だけではありません。結果がすぐに目で見える、即効的な学問をみんなが求めている。だんだん世知幸い世界になってようです。
でもじっさいに大学に身を置いていると、「この人、こんなことを研究していて、ほんとに何かの役に立つのかいな?」と首をひねらされることが、人文系·科学系のいかんを問わず、ちょくちょくありません。まあ学問というのは本来そういうものなのかもしれませんが。
虽然人文系并不是直接起作用的学问,但是不能直接起作用的学问,对于世界来说是非常重要的呢。虽然不会产生惊艳的结果,却是一点一滴地为社会提供支持。这与小说是一样的。如果没有小说,社会逐渐地失去滋润并且变成心术不正的东西(有这个倾向)。可是对于人文系的学术被削减预算这件事情,是一种世界共通的现象。不仅仅只出现在日本。大家正在追求的是能马上看到结果的,具有极效性的学术。渐渐地变成有幸福处世才能的世界。
可是,实际上当置身于大学里的时候,被怀疑说「这个人,居然在研究这些东西,真的能起到某种作用吗?」这样的事情,无论是人文系还是科学系,都是没有的。也许学问这东西本来就是这样的也有可能。