村上春树-《村上さんのところ》

翻译 | 《村上さんのところ》- 培养后辈

2017年6月8日

後進を育てたいと思われますか?
有想过培养后辈吗?

質問:

情報番組のTVマンです。
後輩を育てていく、部下を育てていく、という仕事の役割が年齢とともに増えてきています。小説家として村上春樹さんも後進を育てていこうと思うことはあるのでしょうか?
もしくは、文学とはアドバイスや教えることができないものなんでしょうか?

我是情报节目的TV人。
培养后辈,培养下属,这种工作的角色随着年龄而增多。作为小说家的村上春树先生有想过培养后辈吗?
或者,对文学来说是否给不到建议或者指导的呢?

回答:

後進を育てていくことを真剣に考えておられる小説家も、きっと少なからずおられると思います。いろんな大学に創作科はありますし、そこで文章の技法を教えたり、創作のアドバイスを与えることも可能です。

ただ身勝手なようですが、僕は自分の小説を書くのに忙しくて、他人を指導するような暇を見つけることはなかなかできません。それから、小説家というのは水の中にどぶんと放り込まれて、浮くか沈むかは自分で決めろ、という商売だろうと基本的に考えています。生き残る方法は自分で見つけるしかありません。古典的な考え方かもしれませんが、僕自身そうやって生き残ってきたので。

僕にできることは、他の作家の足を引っ張るないということくらいです。僕は誰の悪口も言わないし、誰の邪魔もしないし、誰に喧嘩を売ったりもしません。そんなこと当たり前たろうと言われるかもしれませんが、あたり前じゃないんです、この世界では。

(結論)後進を育てようとは思わないけど、邪魔はしない。

我觉得肯定也有不少认真思考要培养后辈的小说家。很多大学有创作专业,在那里教授文章的技法,给予创作的建议也是可能的。

虽然是任性而为,不过我自己写小说很忙碌,完全找不到给他人指导的空闲。还有,基本上我认为小说家就是那种扑通一声被扔进水里,自己决定是浮还是沉的买卖。只能自己找到生存下来的方法。这可能是古典的思考方式,不过我就是这样生存下来的。

我能做的事情是,不要阻扰别的作家。我不说谁的坏话,也不妨碍谁,也不招惹与谁的争吵。虽然会被说这是理所当然的事,但在这个世界里,绝不是理所当然的。

(结论)虽然没想过要培养后辈,但是不会妨碍的。