『村上さんのところ』ー 村上春樹
それはあなたの中に潜んでいる
潜入你的内在
質問:
以前、村上さんが、「書きたいことあって小説を書くのではない」といった発言をされているのを読みましたが、書きたいことがなくても小説を書く、その原動力は村上さんにとってどんなものだとお考えですか?
以前,虽然曾经读过村上先生「并不是有了想写的东西才写小说的」这样的发言,可即便没有想写的东西也能写小说,对于村上先生来说,这个原动力是什么呢?
また、ご自分の中から出てきた最初のアイデアや文章が、小説になる、と感じる瞬間には、どんなことが起きていますか?
另外,从自己内在得来的最初的点子或者文章,感觉能成为小说的那个瞬间,会发生什么样的事情呢?
私自身も小説を書こうとしていますが、よく書きあぐねます。書きたいことがあるというより、ぼんやりとある書き表したい雰囲気やイメージを言葉にしたい、という衝動があります、が、まだいい形になりません。
我自己也在打算写小说,认真地写。与其说有想要写的内容,不如说是有想通过语言把那些模模糊糊的,想要写出来的气氛或者意象表达出来的冲动,但是,还不能成形。
村上さん、自分のために書くとか、自分を信じて書くとか、考えたことはありますか?
村上先生,是否有考虑过是为自己而写,还是相信自己而写的呢?
回答:
「これを書きたい!」と思って書き始めると、小説ってなかなか書けません。マテリアルが重すぎると、それを背負って進むのがつらくなります。それよりは軽い足腰が大事です。マテリアルのことはあまり考えないで、まず文章を書くことによって、自分の中にあるものを少しずつ引き出していくといいのです。あなたの中には描かれるべきなんかが確実に潜んでいます。小説を書くというのは、それを見つけていく作業です。最初から目に見えているものを見つけたって、あまり意味はありません。
ということでよろしいでしょうか?わかりにくいですか?
想着「想要写这个!」而开始写的话,并不能很好地写成小说。素材太过沉重的话,背负着这东西而进行就会变得很艰辛。与此相比,轻松的腰腿是非常重要的。不要过分去考虑素材,先把文章写出来,自己内在有的东西,即便只能引出来一点点,也是挺好的。在你的内在确实潜藏着应该被描述的什么。写小说这回事,就是找到那个东西的工作。要是一开始就能看见的东西,基本上就没什么意义了。
这样说不知道是否可以?难以理解吗?