村上春树-《村上さんのところ》

翻译|「《村上さんのところ》- 抱着认真的含羞」

2017年1月13日

まっとうな含羞を抱えて

抱着认真的含羞

質問:

初めまして。村上主義です。書店が大好きなのですが、村上さんの新刊小説の発売後数日だけは、こんなことを言って申し訳ないのですが、嫌いな場所になってしまいます。

店先のワゴンにどっさり積んで、派手なPOPで、店員総出の「村上春樹の新刊XX、販売してま~す」(リフレイン)

小説を読む行為とは隠微なものだと思います。発売初日に欲しいけど、もう少し普段通リに、こっそり買えたらいいのに。

村上さんは、待ち焦がれた本を買うときに、含羞というか、気恥ずかしさみたいな感情を抱くことがありますか。

初次见面。我是村上主义。非常喜欢书店,不过仅仅在村上先生的新刊小说发布后的几天,抱歉要说这样的话,会被讨厌吧。

店门前的推车满满地堆积着,花哨的pop风格,店员全体出动说「村上春树的新书,开卖咯」(不断重复)

我觉得读小说是一件隐微的事情。虽然在开卖首日就想要,但还是过几日,悄悄地买的话会更好。

村上先生,在焦急地等待想要买书的时候,有抱过含羞或者害羞之类的心情吗?

回答:

そうですね。あなたの気持ちはよくわかります。僕自身もやはり、常に気恥ずかしさとともに生きております。しかし僕らはまた、好むと好まざるとにかかわらず、資本主義の世界に生きています。そして本を製作し、流通させ、販売するという作業は(それによって作者と読者が結ばれるわけですが)、巨大で冷徹な経済機構の一部に組み込まれています。僕は冗談で「村上春樹インダストリー」と読んでいますが、ときどき冗談とはかりもいえなくなることもあります。書店がどうようなイベントをおこなおうが、僕個人にはいかんともしがたいことになっています。申し訳ありませんが耐えてください。

ただわかっていただきたいのは、何があろうと僕はどこまでも常に村上春樹という生身の一個人であるということです。僕は「インダストリー」とは無縁なところでひとりぼっちでこつこつと(せつせつと)小説を書いています。それが穂というかたちになる時点で、やむを得ずインダストリアルになってしまうということです。しかしそれを読むあなたもまたひとりの生身の個人です。途中で何があったとしても、最終的に僕の生身とあなたの生身どが触れあうことができたとしたら、それはひとつの大事な達成であろうと僕は考えていますが。お互いまっとうな含羞を抱えたまま、この世界を無事に乗り切っていきたいものですね。

这样啊。非常理解你的心情。我自己是经常跟害羞一起生活的。但是我们又是,不管喜欢还是不喜欢,都是生活在资本主义的世界。于是书本制作、流通、销售这样的工作(正是根据这个把作者与读者连结在一起),组成了巨大的,冷静而透彻的经济机构的一部分。虽然我是当笑话一样读着「村上春树产业」,不过也有不能光说笑话的时候。书店要进行什么样的活动,对我个人来说怎么都是难做的事情。抱歉请你忍耐。

不过想请你知道的是,无论发生什么事情,我始终都是作为村上春树这样活生生的一个人而存在。我在与「产业」无缘的地方一个人孜孜不倦地(恳切地)写着小说。那是当形成麦穗的时候,不得不变成产业化的事情。但是读到这你也是一个活生生的个人。即便中途要发生什么事情,最终我的生身与你的生身能相互接触的话,我想那就能达成一件重要的事情。就让我们相互这样抱着认真的含羞,安全地渡过这个世界生存下去吧。