村上春树-《村上さんのところ》

翻译|「《村上さんのところ》- 注意绝对化的言语」

2017年1月5日

言い切りの言説に気をつけよう
注意绝对化的言语

質問:

学生時代に、「この本の良さが分からない奴ってダメだよね」「世間の奴ってさぁ」とよく言っている人がいました。確かにその人は沢山の本を読んでいたし(もちろん村上さんの本も)、文章力もあったのですが、今思えばその人は、本によって視野が狭くなっていたのではないか?と思います。本に限った話ではないと思うのですが、村上さんはどう思いますが?

学生时代里,经常会有人说「不了解这本书的优点的人是不行的」「世间没用的人」。确实这个人读了很多的书(当然村上先生的书也是),也有一定的写文章的功底,现在回想起来,就觉得那个人是不是因为书而变得视野狭窄呢?觉得只限于说书的话,村上先生是如何认为的呢?

回答:

そういう人ってときどきいますよね。その昔、キース・ジャレットのソロが世間で流行っていた頃、「キース・ジャレットの良さがわからない人間は駄目だ」みたいなことを言われて、僕にしては珍しくむかっとしたことがあります。僕はたまたまキース・ジャレットのソロがぜんぜん好きじゃなかっただけど、それとはべつの話として、そんなのわかってって、わからくたって、人間性とは何の関係もありませんよね。「*****の良さがわからない人間は駄目だ」みたいな言い切りの言説はお互いじゅうぶんに気をつけましょう。そういうことを口にする人には、たぶん何か問題があります。

僕の小説だってそうです。好きな人がいて、好きじゃない人がいて、それで世界がうまくまだらにまわっているんです。

Uniformity(画一性)くらい怖いものはありません。みなさんも気をつけてくださいね。

这样的人偶尔是有的。以前,Keith Jarrett在世界上流行的时候,我也有被说「不了解Keith Jarrett的优点的人是不行的」,而于自己来说是异常让人愤怒的事情。我虽然是碰巧完全不喜欢Keith Jarrett的solo,这还是另说的,这种事情理解,或者不了解,与人性没有任何的关系。相互之间要十分注意「不了解*****的优点的人是不行的」类似绝对化的言语。说这些话的人,大多都有些问题的。

我的小说也是如此。有喜欢的人,也有不喜欢的人,如此世界也运转得很好。

没有Uniformity(统一化)那样的恐怖。大家也请留心。