翻訳の難関にぶつかったときに思い出す
想起了碰到翻译难关的时候
質問:
翻訳業に携わるっている者です。
村上さんはいつも楽しそうに翻訳をなさっているようにみえますが、私はときどきどうしても原文の意味がとれなくて、途中で仕事を投げ出したくなるときがあります(さすがに投げ出しはしませんが……)
村上さんはそんな状況に陥ることはありませんか?失礼な質問かとは思いますが、お教えいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
我是从事翻译事业的人。
看着村上先生一直都乐在其中地从事翻译工作,而我有时候无论如何都无法理解原文的意思时,就会想中途放弃工作(虽然不是真的放弃……)
村上先生曾陷入过这种状况吗?感觉是挺不好意思的问题,如果能回答的话会非常高兴的。
有劳了。
回答:
原文の意味がうまくくみ取れずに困ることはしょっちゅうあります。でも投げ出したいと思ったことは一度もありません。
「一所懸命考えれば、意味がわからないわけがない」と信じているからです。高校生のときにモームのエッセイを英語で読みました。そこで「人間の考えることが、人間に理解できないわけがない」という文章に出会いました。翻訳で難関にぶつかるたびにその言葉を思い出します。
そして「人間の書いたことなのだから、人間にわからないわけがないんだ」とあらためて思います。実際じっと深く考えていると、だいたい意味はわかってくるものです。
经常会有理解不了原文的意思而苦恼的时候。不过一次也没想过要放弃。
因为相信「如果努力思考的话,一定能明白的」。高中的时候读毛姆的英文版散文。在那里遇到了「人能思考的东西,人是一定能理解的」这样的句子。每次碰到翻译难关的时候都会想起这句话。于是想着改成「正因为是人想写的东西,所以人是一定能明白的」。真的凝神深入思考的话,大概的意思都能明白的。