村上春树-《村上さんのところ》

翻译|「《村上さんのところ》- 最让心为之颤抖的地方」

2016年11月21日

いちばん心を揺さぶられた場所

最让心为之颤抖的地方

質問:

僕は31歳のサラリーマンで、趣味が旅行です。

村上さんは色んな国の色んな街を見てきたと思いますが一番感動した場所はどこですか?

僕はローマのサン・ピエトロ大聖堂です。カトリックではありませんが、建物自体が神神しく見え、何時間もただ眺めていました。

我是31岁的公司职员,兴趣是旅行。

我想村上先生已经去过很多国家看过各种各样的街道,最让自己感动的地方是哪里呢?

最让我感动的是罗马的圣彼得大教堂。虽然我不是天主教,不过能看到庄严神圣的建筑本身,就好几个小时只是目不转睛地注视着它。

回答:

僕はローマでバチカンのすぐ近くに、わりに長く住んでいたんですが、あまり近いと行かないものなんですね。バチカンってほとんど見物したことがありませんでした。毎日前を歩いていただけです。もったいないことをしたかも。僕が感動した場所?とくに「ここに感動した」ということはないかもしれない。少なくとも急には思い出せません。中くらいの「感心」ならけっこういっぱいあるんですが。

いちばん「心を揺さぶられた」のはモンゴルのノモンハンの戦場跡でした。戦車の残骸や薬莢や水筒や榴弾なんかが、砂丘の中にまだそのまま残って散らばっていたから。まるで少し前に戦闘激しいがいわれたばかり、みたいにかんじで生々しく。そこで日本軍=満州軍とソビエト=モンゴル軍が激しい戦闘を繰り広げたのは1939年のことなのだけれと、半世紀以上たっても、ほとんどそのままのかたちで戦場が放置されている。それは僕にとってずいぶんショックでした。こんなところまで連れてこあれて、意味のない戦いに巻き込まれ(ほとんど意味のない戦争だったんです)もなしく死んでいった若い人々のことを思うと、胸が痛みました。

我在罗马的时候梵蒂冈就在附近,意外地住了很长的时间,可也并不是那么近所以没有去过。梵蒂冈的话,几乎没有值得看的东西。每天只是在它跟前走过而已。真有点可惜了。让我感动的地方?也许特别的「这里很让人感动」这种地方是没有的。至少一下子想不出来。不过当中却有相当多让自己「钦佩」的地方。

最让「心为之颤抖」地方是蒙古的诺门坎的战场遗址。战车的残骸,弹壳,水壶,榴弹等等,依然如故地遗留散落在沙丘上。好像前不久才庆祝过激烈的战争,类似的感觉生生不息。虽然在那里日本军=日本陆军与俄罗斯苏维埃=蒙古军开展了激烈的战争是1939年的事情,已经过去半个世纪多,可现在简直放置着如那个时候一样的战场。那个对我来说真是非常大的冲击。想到跟随到如此这般的地方,被卷入到毫无意义的战争里(几乎没有任何意思的战争)已经死去的年轻的人们,痛心不已。