『村上さんのところ』ー 村上春樹
世界を理系の魂でみる
用理科的魂看世界
注:河合隼雄是日本一位著名的心理学家,曾与村上春树合作过一本对谈集。
質問:
村上さんは、世の中にある「数式」の量や割合についてどう思われますか。
私はつい数ヶ月までエンジニアとして働いており、大学の専攻も理系でしたが、生活していく上で「ここは言葉でなく数式表せばもっとわかりやすくなるのに」とか、「つまりそれはこれがこれの関数になるということですか」と思うことが、そこそこあります。
仕事で技術論文を読んでいた時にも、昔に比べて数式が減ってるなあと思うことがありました。
村上さんは世の中にある数式は今くらいの塩梅でいいと思いますか、私としてはもう少し世の中に数式が増えてほしいです。
村上先生,对世间存在的「公式」的数量或者比例是如何考虑的呢。
不知不觉间我作为工程师已经工作了几个月,虽然大学的专业也是理科,不过在生活上「这里明明不用言语而用公式表达会更容易理解」或者「换句话说那个是不是会变成这个的函数」这样想,草草了事。
工作上读技术论文的时候,也感觉到公式与以前相比减少了。
村上先生认为世间存在的公式是如今这个数量就好了吗,作为我来说还是希望世间的公式能稍微增多一些。
回答:
そうですか。僕は数式のたぐいがどうも苦手なので、数式を示されると引いてしまうところがあります。数式のない世界に行くと、ほっとします。あなたとは真逆ですね。そういえば河合隼雄さんは昔、数学の先生をしておられました。高校で三年間数学学科を出て、高校で三年間数学を教えておられました。もともとが理系の方です。しっかり数式の人です。それが結局、人の心を取り扱うお仕事をなさるようになりました。そういう数式的な思考が、心理学を探求するにあたってどのように役を果たしていたのか、一度そのへんの話を聞かなくてはと思っていたのですが、その前に残念ながら急逝されてしまいました。とても残念です。
ただ僕が感じたのは、河合先生はうわべの感情にはなかなか簡単に流されない人だなということでした。もちろんそういうものを理解されるんだけど、観察者としての厳しいスタンスを維持したまま、その奥にあるものを見据えようとなさいます。そして常に机上の論理よりは、手に取れる実証を求められました。そういうところに「理系の魂」みたいなものがうかがえたのかなという気もします。
というわけで、「ここはことばでなく数式で表せばもっとわかりやすくなるのに」とおもわれるのももっともですが、数式ではなく「理系の魂」をもって世界を広くしっかりみていただければと思います。人の心はなかなか関数がだけでは表せません。
这样啊。因为我对公式之类的东西挺不擅长的,有些地方反而受制于公式表达。在没有公式的世界里行走,松一口气。与你是完全相反的。这么说来河合隼雄先生以前,曾当过数学老师。在大学毕业于三年期的数学课程,然后在大学教了三年数学。原本就是理科那个方向的。扎扎实实公式的人才。结果,把处理人的内心变成了工作。这样的公式性的思考,在心理学的探求上发挥怎样的角色,虽然我觉得一定要听一次那方面的故事,可在此之前先生不幸突然去世。真的非常遗憾。
只不过我感觉到的是,河合先生是不会那么简单地流露外表上的感情的人。当然那种东西是能理解的,不过依旧作为观察者维持着严肃的立场,去看见那里面有的东西。于是比起总是纸上谈兵的理论,更能寻到亲手获得的实证。我觉得能在那种地方窥见到类似「理科的魂」的东西。
因此,「这里明明不用言语而用公式表达会更容易理解」这样想也是合理的,不过,我觉得可以带着「理科的魂」而不是公式扎实广阔地看世界。仅仅只有函数是无法表达人的内心。