村上春树-《村上さんのところ》

原创翻译 | 《村上さんのところ》- 笔比剑还要强

2016年11月3日

『村上さんのところ』ー 村上春樹
ペンは剣より強い方がいいんでしょうか?
笔比剑强的话好吗?
質問:
村上さん、こんにちわ。今日は風が冷たいですね。でも福岡の空は青色です。実は、高校生のころから村上さんにお聞きしたいことがありました。満を持して、お尋ねします。
「ペンは剣よりも強し」だと思いますか?
村上先生,您好!今天的风冷飕飕的。不过福岡的天空是蓝色的。实际上,在我还是高中生的时候,就有想向村上先生询问的东西。现在带着满满的疑问来问了。
村上先生认为「笔比剑还要强」吗?
回答:
すごく正面切っての質問で、びびってしまいます。ぺんは剣よりも強いか?そのとおりです。ペンは剣よりも強いですよ、もちろん、と断言したいところですが、昨今なかなかそうとばかりも言えない部分がおおいです。テロもありますし、ネットの炎上みたいなこともあります。ものをかくときにはじゅんぶん用心深くならなくてはなりません。
这是个相当直接了当的问题,让我不禁有点怯场。笔比剑还要强?是可以这样理解。笔是比剑还要强哦,当然,即便想这样断言,但是最近不能仅仅这样说的情况非常多。有恐怖主义,也有网络上的批判。写东西的时候不得不非常地小心谨慎。
僕は普段は、基本的にむしろ「ぺんがあまり強くなりすぎないように」ということを意識して文章を書いています。僕の書く文章ができるだけ人を傷つけることがないようにとおもって、言葉を選ぶようにしています。
我平常,基本上宁愿带着「笔也并不能变得那么强」这样的意识写文章。我写的文章会出于尽可能不伤害到人的考虑,而选择言词表达。
でもそれはとてもむずかしいことで、何をかいてもそれにようって傷ついたり、腹を立てたりする人が、多かれ少なかれ出てます。これはある程度しょうがないんです。でも、それにもかかわらず、できる限り、人を傷つけない文章を書くことを心がけなくてはならない。これは文章を書く人間にとっての大事なモラルなのです。
不过那是非常困难的事情,不管写什么,因为这些内容而受伤,感到愤怒的人,多多少少也会有的。这是无可奈何的事情。不过,尽管如此,还是要留心尽己所能不写伤害到人的文章。这对于写文章的人来说是重要的道德观念。
でもそれと同時にいざ闘うべきだと思ったときには、闘えるだけの胆力(ぐっと腹に入れる力のことです)を蓄えておかなくてはなりません。でもそれは本当にいざというときのためのものです。みだりにペンを剣より強くしちゃうのは危険なことです。と僕は個人的に考えています。ほかの考え方をする人もいるでしょうか。
不过,想着要同时与这斗争的时候,就不得不积攒仅是斗争的胆量(猛地进入肚子里的力量)。不过那真的是不在紧急的时候就不行的事情。任意地让笔强于剑是危险的。这是我个人的考虑。估计还有做其他考虑的人吧。