日文翻译 最果タヒ

翻译 | 「最果タヒ – 100歳」

2018年9月21日
100歳としをとるということは、
ぼくが終わっていくのではなく、
世界が終わっていくということなのだけど、
きみがいつも出かける西の果てにはなにもなく、
白い海と白い空が混ざりながら光っている。
そこへ向かうきみの体と、
そこから帰ってくるきみの体が、
同じなのかはわからない。
ただ、きみはきみの家を知っていて、
鍵を持っていて、冷蔵庫の中身を覚えている、
だから、今晩もここで眠る。
 
ぼくが町の南を見たとき、空の左手が、
ビルの、白壁に定規をあてて、
影と光の境界線をひいた。
息を吸いながら、吐きながら、
その線がゆっくりと動くのを見まもると、
ぼくは、植物よりも動物よりもコンクリートが、
この世界にうまれるべくしてうまれた、
赤ちゃんかもしれないとおもう。
365日かけて、365回、
あの左手はひたいを撫でてくれていた、という、
そのことを知らずに、
生きてきていた。
ぼくらにはそれは、少なすぎたのか。
 
忘れることで、ぼくは、
ぼくの命を軽んじていたことになるのかなあ。
光がふる草原で、横たわれば、ぼくも、
光の一部として、星に降り注ぐことができた。
頬の果て、
思い出せないものが古い地層にしまいこまれ、
ぼくの体とともに、宇宙を、回転している。


《100岁》作者:最果タヒ
 
年长这件事,
不是我要终止了,
而只是世界将要终止了,
在你经常出没的西边的尽头什么都没有,
白色的大海与白色的天空交相融合且发着光。
去往那边的你的身体,
以及从那里回来的你的身体,
不知是否相同的。
只是,你知道你的家,
带着钥匙,也记得冰箱的内里,
所以,今晚也在这里睡觉。
 
我看着街道的南边时,用空着的左手,
丈量着大楼的白墙,
画着影子与光的境界线。
吸气的同时,也在吐气,
看守着那根线慢慢地移动。
我觉得,比起植物,比起动物,混凝土才是更应该在这个世界诞生的婴儿。
用365天,365次,
那个左手抚摸着额头,
在不知道这件事的情况下,
活着。
对我们来说,那是太少了吗。
 
遗忘这件事,
我是在瞧不起自己的生命吗。
在光降落的草原上,只要横躺着,
我也能作为光的一部分,在星星上落下来。
脸颊的尽头,
想不起来的东西都被收入到古旧的地层里,
与我的身体一起,绕着宇宙旋转。